副業を始める前に知っておくべき法律と税務のポイント

公開日: 2025/1/3

新型コロナウイルスの世界的な流行を契機として、働き方が大きく変わり始めました。

その中でも特に注目されるのが、「副業の増加」です。


多くの人が収入源を多様化するために副業に取り組み始め、スキルを活かした新たな収入の柱を獲得する動きが活発化しています。

しかし、副業を始めるにあたって、法律や税務に関する基本的な知識が欠けていると、思わぬトラブルに巻き込まれるかもしれません。


本記事では、副業を取り巻く法的リスクと税務の重要性について詳しく解説します。

副業に関心を持つすべての方が安心してスタートを切れるよう、ぜひこの記事を参考にしてください。

1. 副業の魅力


副業は、スキルを活かして収入を増やすだけでなく、新たなキャリアの可能性を切り開く手段として注目されています。

テレワークの普及や働き方改革の影響で、副業を許可する企業が年々増加し、多くの人が副業を始めるようになりましたね。

特に、プログラミングやデザイン、マーケティングなど、専門的なスキルを持つ人にとっては、その知識を活かす絶好のチャンスといえるでしょう。


しかし、副業にはリスクも伴います。

法的なトラブルや税務処理のミスが発生した場合、せっかくの副業が人生を逆に苦しくする原因となり得ます。

たとえば、就業規則を無視して副業を始めた結果、会社から懲戒処分を受けたり、税務申告を怠ったことで追加課税や延滞税が課せられることがあります。

2. 副業の法的リスクとは?


副業を始める際に最も重要なのが、法的リスクを正しく理解し、それを避けるための準備をすることです。

以下では、具体的な法的リスクについて詳しく解説します。

2-1. 就業規則を確認する重要性

まず確認すべきは、自分の会社の就業規則です。

多くの企業では、副業を禁止または届け出制にしています。

この規則を無視して副業を始めた場合、最悪のケースでは解雇に至ることも。


特に重要なのが「競業避止義務」です。

たとえば、同じ業界で働く副業を行い、本業の利益を損なった場合、法的責任を問われる可能性があります。


実際に起きた事例では、大手IT企業の社員が副業で競合他社のプロジェクトに関与したために、訴訟沙汰となったケースがあります。

このようなトラブルを避けるためには、事前に就業規則を確認し、会社に相談することが重要です。

2-2. 秘密保持義務と情報管理

副業を行う際、本業の情報を誤って漏洩するリスクも考慮しなければなりません。

本業で扱う顧客情報や技術情報を副業で使用することは、秘密保持契約の違反となる可能性があります。


このリスクを回避するためには、副業中に扱う情報と本業の情報を完全に切り離す必要があります。

最悪の場合、情報漏洩で逮捕なんてこともありえるため、非常に慎重に取り扱う必要があるでしょう。

2-3. 労働基準法の遵守

本業と副業を合わせた労働時間が週40時間を超える場合、労働基準法違反に問われる可能性があります。

たとえば、週5日働く会社員が、土日にもフルタイムで副業を行った場合、法定労働時間を大幅に超えることになります。

こうした問題を避けるためには、労働時間を適切に管理し、自分の健康を守ることも忘れてはいけません。


副業でもフルタイムで働き体調を壊して、本業に支障をきたすようなことは避けましょう。

3. 副業で知っておくべき税務の基本


副業を行う際には、税務処理が非常に重要です。

正しく処理を行わないと、税務調査や追加課税といったトラブルに巻き込まれる可能性があります。

3-1. 副業所得の種類と税務申告

副業で得た収入は、主に「雑所得」「事業所得」「給与所得」のいずれかに分類されます。

それぞれの扱いには明確な違いがあり、適切な理解が必要不可欠です。


たとえば、クラウドソーシングでライティングを行った場合、雑所得として申告するのが一般的です。

しかし、継続的に仕事を受注し、自身で事業として行っている場合は事業所得として認められる可能性があります。

事業所得に分類されると、青色申告特別控除が適用され、最大65万円の控除を受けられるため、節税効果が期待できますね。

3-2. 確定申告が必要なケース

副業の年間所得が20万円を超えた場合、確定申告が必要です。

ただし、このルールは会社員に適用されるもので、フリーランスの場合は1円でも収入があれば申告が必要です。

確定申告を怠ると、追徴課税や罰金が課されるリスクがあるため、早めの準備が肝心です。

必ず2月の確定申告には間に合うよう、領収書や請求書は日々管理するようにしましょう。

3-3. 住民税への影響

副業所得が住民税の増加につながり、それが本業の会社に知られるケースもあります。

この場合、「普通徴収」を選ぶことで、副業分の住民税を自分で納付し、会社に知られるリスクを軽減することができます。

4. 法律違反や税務トラブルを避けるための具体的な対策


副業を成功させるためには、法律違反や税務トラブルを未然に防ぐことが重要です。

これらのトラブルは、事前に正しい知識を持ち適切な対応を取ることで、ほとんどの場合回避できます。

以下では、具体的な対策について詳しく解説していきます。

4-1. 就業規則を確認して会社に相談

副業を始める前に、必ず就業規則を確認し、不明点があれば会社に相談しましょう。

副業を解禁している企業が増えている一方で、届け出を求める企業も多いため、適切な対応が求められます。

副業が可能かどうか・副業先・週の勤務時間など諸々の情報が必要になる恐れがので、注意しましょう。

4-2. 帳簿を正確に作成する

税務申告の際、収入や経費を正確に記録しておくことが必要です。

特に、事業所得として申告する場合、帳簿の保存が法律で義務付けられています。

便利なクラウド会計ソフトを活用することで、時間と手間を大幅に削減できます。

4-3. プロの専門家に相談する

税理士や弁護士に相談することで、リスクを未然に防ぐことができますね。

副業を始める際の相談はもちろん、税務調査が入った際の対応方法についても的確なアドバイスを受けることができるので非常に便利です。

5. 副業を安全かつ効率的に始めるためのポイント


副業を成功させるには、計画性が重要です。

本業に影響を与えず、安全かつ効率的に収入を増やす方法を以下で解説します。

5-1. リスクの少ない副業を選ぶ

本業と競合しない分野で副業を選ぶことが、安全な副業ライフを送る秘訣です。

たとえば、趣味を活かしたハンドメイド作品の販売や、オンラインでのスキルシェアサービスを利用するのが一例です。

5-2. 税務を意識した収入管理

副業収入を効率的に管理するためには、税金を考慮した計画を立てることが大切です。

月ごとに収入と経費を記録し、確定申告時にスムーズに対応できるよう準備しましょう。

5-3. 本業とのバランスを保つ

副業に夢中になるあまり、本業が疎かになると、キャリア全体に悪影響を及ぼします。

スケジュール管理を徹底し、無理のない範囲で副業を進めることが重要です。

6. まとめ


副業は、収入を増やすだけでなく、自己実現やスキルアップの機会を提供してくれます。

しかし、法的リスクや税務の問題を軽視すると、せっかくの努力が台無しになる可能性があります。


本記事で紹介した知識と対策を参考に、安全で効率的な副業を始めてください。

適切な準備と計画を行えば、副業はあなたの生活をより豊かにする強力な武器となるでしょう。