事務職からIT業界へ転職!必要なスキルと学べる講座

公開日: 2025/8/8

「事務職からIT業界に転職なんて、自分には無理かも」──そんなふうに感じている方も、きっと少なくないでしょう。IT業界と聞くと、特別な才能や難しい専門知識がなければ踏み込めない世界、というイメージを抱きがちです。

ですが、実際には事務職で培ってきた経験こそが、IT業界でも高く評価されるケースが多いのです。正確に書類を仕上げる力、相手の意図をくみ取ってやり取りを円滑に進める力、Excelやスケジュール管理ツールを使いこなす力──これらは、どれもIT業界で「実務ができる人」として重宝されるスキルです。

かつてはITと無縁だった人でも、今はオンラインで手軽に学べる講座やサポートサービスが豊富にあります。つまり、未経験でも挑戦しやすい土台が整ってきた今こそ、事務職からIT業界へのキャリアチェンジを考える絶好のタイミングなのです。

本記事では、事務職経験を活かしながらIT業界へ転職するために必要なスキルや、おすすめの学習講座、そして転職後に広がるキャリアパスについて詳しくご紹介します。「もしかしたら、私にもできるかも」と感じてもらえたら幸いです。

1. IT業界で活かせる、事務職ならではの力


日々の業務の中で「このままで良いのだろうか」「もっと新しいことに挑戦したい」と思った経験はありませんか? そう感じたときこそ、IT業界という選択肢を視野に入れてみる価値があります。

というのも、IT業界では論理的なスキルだけでなく、丁寧な作業や気配りのできる人材も必要とされています。例えば、事務職で身につけた以下のようなスキルは、実は多くの現場で即戦力として評価されるのです。

 ・関数やグラフを用いたExcel作業
 ・ビジネスメールの作成や社内外との連携
 ・タスクや会議スケジュールの管理


これに加えて、IT業界特有のツールや基礎知識を少しずつ習得していくことで、転職のハードルは一気に下がります。たとえば「Google Workspace」や「Slack」、「Notion」などのクラウドツールに慣れておけば、効率的なチーム業務において重要な戦力となるでしょう。

最初は難しく感じるかもしれませんが、すべてを完璧に理解する必要はありません。事務スキルにITの基礎を「+1」することで、着実にチャンスは広がります。

2. 未経験でも安心。学びやすいIT基礎スキルとは?


「IT」と聞くと真っ先に思い浮かぶのが「プログラミング」かもしれません。しかし、実際のIT現場ではコードを書かない職種も多数存在します。たとえば「IT事務」「プロジェクトアシスタント」「社内ヘルプデスク」などは、まさに事務スキルをベースにしながら活躍できる代表的なポジションです。

こうした業務で必要とされるのは、Officeソフト(Word、Excel、PowerPoint)を扱えること、そしてパソコン操作に不安がないこと。加えて、最近ではリモートワークが主流となりつつあるため、チャットでの報告やオンライン会議でのやり取りがスムーズにできることも求められます。

また、IT業界特有の用語に少しずつ触れておくこともおすすめです。たとえば「クラウド」「UI/UX」「タスク管理」「データベース」など、基本的な言葉の意味を知っているだけでも、現場での理解が格段に深まります。

最初からすべてを理解する必要はありません。「わからないことを自分で調べて解決する」姿勢こそ、IT業界で最も重宝される力です。そうした姿勢が、自然と周囲からの信頼にもつながっていきます。

3. スキルシェアで学ぶ、IT基礎講座のすすめ


「転職に向けて学びたいけど、何から始めればいいかわからない」──そんな方にこそ、スキルシェア型のオンライン講座がぴったりです。現在では、初心者向けに丁寧な解説をしてくれる講師が多数存在し、自宅にいながら自分のペースで学べる環境が整っています。

特に人気のあるサービスとしては、「ストアカ」「ココナラ」「Udemy」などがあり、それぞれに特徴があります。ストアカでは少人数制のライブ授業が多く、質問しやすい雰囲気があります。ココナラでは1対1の個別指導を選ぶこともでき、苦手な部分を重点的に学べるメリットがあります。Udemyでは買い切り型の講座が豊富で、繰り返し視聴することで理解を深めることができます。


中でもおすすめなのは、以下のような初心者向け講座です。

 ・Excel応用(ピボットテーブル・関数・グラフ)
 ・ITパスポート試験対策(情報リテラシーの基本)
 ・CanvaやFigmaを使ったWebデザイン入門
 ・Googleスプレッドシート活用術


どの講座も「仕事にすぐ使えるスキル」が得られるため、学んだ内容が自信に変わりやすいのも特徴です。「興味がある」という気持ちが湧いたときが、始めどき。気軽な気持ちで、まずは1講座、試してみるのが一番の近道です。

4. 転職後に広がるキャリアパス


晴れてIT業界に転職できたとして、それがゴールというわけではありません。むしろ本当のスタートはそこからです。事務職出身者の多くが、まずは「IT事務」「ヘルプデスク」「サポートスタッフ」といった補助的なポジションからキャリアをスタートさせています。

しかし、ここでの実務経験をしっかり積み重ねることで、次のステージが見えてきます。たとえば、社内IT部門での業務を経て、システム管理やITコンサルタントといった専門職への道も開かれます。プロジェクトアシスタントから始まり、プロジェクトマネージャーを目指す道も現実的です。

このようなキャリアを築くには、「資格」と「実践」の両輪が不可欠です。たとえば、以下のような資格は転職後のスキル証明に大きく役立ちます。


 ・MOS(Microsoft Office Specialist):Officeスキルを客観的に証明
 ・ITパスポート:ITの基本知識を体系的にカバー
 ・CompTIA A+:ハードウェア・ネットワークの基礎を広く学べる
 ・プロジェクトマネジメント系の講座・試験:将来の管理職候補へ

自分の現在地をしっかり見つめながら、段階的に学び続けることで、未経験からでも無理なくキャリアアップが可能になります。

5. IT業界への一歩は、今ここから

かつての「事務職」としての経験は、決して無駄ではありません。それどころか、今のあなたにしかできない仕事の進め方や、支える力があります。丁寧さ、正確さ、調整力──それらすべてが、IT業界の現場でこそ輝きます。

そして足りない部分は、これから少しずつ身につけていけばいい。必要なのは、完璧な知識よりも「やってみようかな」と思う気持ち。最初の一歩さえ踏み出せば、見える景色は大きく変わっていきます。

実際に、Excelが得意だった女性がITパスポートを独学で取得し、社内のIT部署へ異動。その後、ヘルプデスクリーダーとして抜擢された…そんな事例も珍しくありません。
未来は、完璧な人のものではなく、「行動した人」のもの。今日という日に、その最初の一歩を踏み出してみませんか?