子供は発達障害?グレーゾーン?と思った時の対応方法を教えます!

公開日: 2023/5/10

「他の子と比べて落ち着きがない。うちの子供はまさか発達障害?グレー?」

「誰かに言われたわけでもないけど、怒ると手が付けられない。どう対応すればいい?」

自分の子供の行動が、周りと違うかもしれないと感じると、親としては不安に思うことでしょう。

また、グレーゾーンのことを相談したくてもどこに聞けばよいかわからず、悩んでいる人もいるのではないでしょうか。

そこで本記事では、発達障害のグレーゾーンはどのようなものか、親としてできる対応は何であるかなどについて、以下の項目から紹介します。

・発達障害の「グレーゾーン」とは?
・「発達障害かも?」と思ったら
・親はどう対応したらよい?

この記事を最後まで読んでいただけましたら、子供の発達障害グレーゾーンについて、相談先やどう対応したらよいかが分かりますので、ぜひ参考としてください。

1. 発達障害の「グレーゾーン」とは


まずは、発達障害の「グレーゾーン」が、どのようなものかを解説します。

正しく理解することが、良い対応方法を見つけるカギです。

1-1. 診断基準を満たさない軽度なもの

発達障害の「グレーゾーン」は、診断基準を満たさない軽度なものとされています。

保育などの場で発達障害らしい行動はみられるものの、医師の診断基準に達していないか、年齢のために明確な判断ができない状況を指しているのです。

実際の幼児・小学生の子供には、発達障害に似た「落ち着きのなさ」や「人見知り」などはよく見られます。

そのため、幼少期や小学生は見極めが難しく、特性を持っている状態を幅広く「グレーゾーン」とみなしているのです。

1-2. 年齢が上がるにつれて分かってくるもの

発達障害かグレーゾーンであるかは、年齢が上がるにつれて分かるものとみなされています。

なぜなら、発達障害も症状によって、診断される年齢がさまざまだからです。

同じ発達障害でも、ASD(自閉症スペクトラム障害)は3歳ごろが特性が現れやすいとされ、ADHD(注意欠如・多動性障害)は4~12才の間に症状が現れるといわれています。

そのため、年齢が上がるまでは様子を見るしかないとされているのです。

1-3. 理解されにくいグレーゾーン -わがまま?甘え?‐

グレーゾーンは、周囲から理解が得られにくい傾向にあります。

なぜなら、発達障害の困り感が少ないとみなされて、他の人からは「甘え」や「わがまま」と思われてしまうからです。

理解の低い人にとっては、グレーの子にある「落ち着きのなさ」や「泣いて困らせる」などの行動をみると、問題が多いと思い込んでしまうのでしょう。

そうした周りの空気から間違った対応をしてしまい、しつけが「おしつけ」に結びつくケースもよく聞かれます。

2. 「発達障害かも?」と思ったら


ここでは、子供が「発達障害かもしれない」と思ったときの相談先を紹介します。

一人で悩まずに、子育てのエキスパートや専門家を頼ることが大切です。

2-1. 保育園・幼稚園や学校の先生に客観的な意見を聞いてみる

まずは、保育園・幼稚園や学校の先生などに客観的な意見と様子を聞いてみましょう。

なぜなら、子供を見るプロフェッショナルなので、動きや言動から子供がどのような特性を持っているか把握しているからです。

園内や学校における集団生活やお友達とのコミュニケーションを近くで見てもらえるので、違和感を感じたらすぐに知らせてくれます。

親にも子供にも身近な存在なので、相談相手としてとても頼りになる存在と言えるでしょう。

2-2. 自治体の支援センターや病院へ行ってみる

自治体の支援センターや病院へ行ってみるのもおすすめです。

各自治体の児童相談所や保健センター、病院でも相談を受け付けており、グレーゾーンの場合も必要とみなされたら、適切な支援先を紹介してもらえます。

未就学児の場合は、児童相談所や児童発達支援センター*などで子供の状態に合わせた支援計画をたて、併せて療育や発達検査を受けることが可能です。

他にも、民間の療育施設の紹介や情報提供もしてもらえます。

地域によって施設に違いがあるので、最初は自治体の障害福祉課や児童相談所などに問い合わせしてみると良いでしょう。

*自治体によって、名称が違っていたりします。

3. 親はどう対応したらよい?


最後に親はどのように対応したら良いかについて、解説します。

3-1. 決して治そうとしないこと

まずは、決して治そうとしないことです。

発達障害そしてグレーゾーンは、病気ではなく子供の持つ特性なので、治すことは出来ません。

グレーゾーンは特に困りごとが少ないとみられてしまい、親と周囲は子供のわがままや甘えと受け取って、厳しい子育てになりがちです。

しかし、無理に治そうとすると子供本人がストレスをため込み、かえって問題を悪化させてしまう可能性があります。

子供の特性は、年齢が上がるにつれて表れ方が小さくなる可能性があると思い、見守りや受け入れる姿勢でいる方が良いでしょう。

3-2. 日常を観察し、伸ばせる部分を見つけてあげる

日常における子供の行動を観察し、伸ばせる部分を見つけることが大切です。

観察と伸ばせる部分を見つけるポイント・やり方は次の通りとなります。

観察のしかた 日記のすすめ

子供の行動の観察は、日記もしくはメモを取ることをおすすめします。

内容は、以下5つを意識すると良いでしょう。

1.問題行動を起こした時・場所
2.どんな行動をしたか(泣いた、落ち着かなかった、暴れたなど)
3.行動を起こす前の出来事
4.行った対処方法
5.気づいたこと

特に大切なのは3番目の「行動を起こす前の出来事」で、出来事を知ることで子供の特性や行動の理由を知ることにつながります。

4,5は、親のみならず保育・幼稚園の先生など他の大人の対応もあわせて書くと良いでしょう。

2週間~1ヵ月やってみると、子供の特性や行動パターンが次第に分かるようになります。


長所・得意なことを見つける

子供の長所や得意なことを見つけてほめていくことで、子供に自己肯定感が芽生えます。

主に行った方が良いのは、以下の2点です。

・課題をクリアできたこと
・得意なことに集中して上手くできたこと

グレーゾーンの子は、失敗や出来ない経験が積み重なってしまうと気分が落ち込み、自信を失いかねません。

折に触れてほめていくことで、自信につながり前向きな気持ちになれるので、子供の良いところを見つけたら、受け入れてください。

3-3. 寄り添い共感すること

できる限り、子供に寄り添い共感することを心がけましょう。

子供は、寄り添い共感してもらえると分かれば、自分の味方をしてくれたと安心して信頼を寄せるようになります。

発達障害グレーゾーンの子供は、特に「悲しい」「辛い」などのネガティブな感情表現を言葉にすることができず、泣いたりぐずったりしがちです。

共感と寄り添いをすることで感情や行動に落ち着きが出るので、子供にとっても何をしてほしいかの助けを求めやすくなり、解決につながっていきます。

3-4. 専門家や周りのサポートを得る

問題や悩みを自分たちで抱え込まずに、積極的に専門家や周囲のサポートを得ることです。

全て自分で何とかしようとすると、親自身も心がパンクしてしまい、どうしたらよいかわからなくなります。

児童相談所や支援センターなどでは、グレーゾーンであっても、臨床心理士やカウンセラーの相談ができ、適切なアドバイスをおこなってもらえます。

また、地域で発達障害やグレーゾーンを支援するための子育てサークルがあったりするので、顔出ししてみると良いでしょう。

同じようなママ仲間がいることで、心強く安心感を得られます。

4. まとめ

ここまで、子供が発達障害のグレーゾーンと思ったときの対応について、解説しました。

この記事で解説した内容は次の通りです。

・発達障害の「グレーゾーン」とは?
・「発達障害かも?」と思ったときの相談先
・親は子供にどう対応したらよいか?

グレーゾーンは発達障害の診断基準に満たないので、子供の行動が「わがまま」や「甘え」と受け取られてしまい、なかなか理解を得られません。

なので、周囲と違うかもと気付いたら、まずは子供の特性を知ることに努めましょう。

子供を観察して、長所や得意なことを見つけてほめていくと、子供にも自信が生まれていき、大きな成長につながる可能性があります。

そして、一人で抱え込まずに、専門家や同じ悩みを持つママ仲間など周囲のサポートや協力を積極的に受けましょう。

この記事が、子供の発達障害&グレーゾーンに悩む親御さんの役に立てれば幸いです。