副業時代の幕開け

公開日: 2023/4/21

働き方を取り巻く環境の変化と、副業の始め方について書きました。

1. 働き方を取り巻く環境の変化


1-1. 副業解禁の風潮

まずは副業を取り巻く社会情勢の変化について、触れていきます。

2017年厚生労働省は企業が終業規則を制定する際の雛形となる「モデル就業規則」を改訂しました。

それまで存在していた「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」という内容を削除した上で、「労働者は勤務時間外において他の会社等の業務に従事することができる」との規定を新設しました。
(参考:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23693630Q7A121C1EE8000/)

つまりは、国として働き方改革の一環として副業の推進が掲げられたといえます。

そして、国の方針に追随する形で多くの大企業が副業解禁に舵を切りました。明確に潮目が変わったポイントです。


企業で働く従業員にとって副業解禁は、収入面はもちろん、スキルの獲得や有スキルの利活用、更には本業により生活のベースを維持できることで可能となるチャレンジングな一歩、夢への挑戦をも可能にすると言えます。

副業の解禁は、個人にとって人生の質向上に繋がるチャンスとなり得るといえます。


一方、主語を反転させて、大企業が副業人材を受け入れるという事例も見受けられます。

ヤフー株式会社では2020年10月に副業人材として100名ほどの募集を敢行し、事業プランアドバイザーや戦略アドバイザーなどのスペシャリストの採用を行いました。
(参考:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFK063W20W1A100C2000000/)

ヤフー株式会社としても通常では難しいスペシャリスト人材の調達を副業という形での採用により、ハードルを下げ実現しました。

そして、副業人材として採用された個人にとっても、他社で高度な経験を積むことができるとあって相互のシナジーを生むことにつながったといえます。


上記のような例のように、日本社会全体で副業を認め、フリーランス含め外部人材を活用する動きは活発になってきています。

さらに昨今の働き方の多様化はこの風潮に拍車をかけることが予想されます。では働き方がどう変わり、副業時代をどう後押ししていくのでしょうか。

1-2. 働き方の多様化

働き方の変化、多様化は副業時代をさらに推し進めるものとなるでしょう。

具体的にいくつかの観点で考察してみます。


新型コロナウイルスを契機としてリモートワークは爆発的に拡がりました。

リモートワークの価値は受け入れられ一過性のムーブメントとはならず、定着しつつあると言えます。

そして、このリモートワークで享受される価値こそが副業拡大を後押しします。キーワードはタイムフリーとロケーションフリーです。
(参考:https://www.hitachiconsulting.co.jp/)

リモートワークは通勤時間の削減だけでなく、フレキシブルなワークタイム選択(タイムフリー)が実現します。

結果一日の余暇時間を大きく創出することに繋がり、副業の可能性を拡げます。

ロケーションフリーは、その通り場所を問わない働き方です。

居場所を自由に選択できることで本業の傍ら、例えば地方型の仕事を副業として選択することができるようになります。

このようにロケーションフリーは場所に縛られることなく、職業選択の幅の拡がり、副業の活用推進を後押しする形となります。


副業を推し進める働き方の変化として週休増の流れもあります。

2021年4月5日、加藤官房長官が記者会見で「選択的週休3日制」の導入について検討する考えを示しました。

ここでいう「選択的」とは、希望する人が週休3日で働ける環境を指しています。

多くの企業が週休2日制度や完全週休2日制度を敷くなか、週休3日を選択可能となると、様々な選択肢が生まれます。

子育てや介護の両立などがその一例ですが、副業選択の幅も拡がると言えます。


2. 副業を始めてみる


2-1. どう働き、どう稼ぐか

どの副業を始めるか、どうやって副業で稼いでいくか。

その答えを得るためには、まずは副業に求めるもの、イメージを具現化することから始めてみましょう。

副業の選択は本業を選択するよりも圧倒的に自由度が高いです。

ここは前提として外せません。だからこそ、自分が副業に何を求めるのか、といった問を多角的に繰り広げ、その目的地を定めていく必要があります。

副業選択のための尺度、ファクターをここに置いていきたいと思います。


副業を選択する上でまず考えるべきファクターは“どの時間を活用したいか”です。

本業がある中で、限りある時間をどのように副業に充てるのかはまず考慮しないといけない要素です。

リモートワークによって余裕のできた毎日の1,2時間を副業に充てるのか、或いは休日の1日2日フルタイムを充てるのか、こういった違いだけでも副業選択は異なってきます。

次のファクターは“どのくらい稼ぎたいか”です。


副業として目標とする稼ぎを明確化すると、自ずと副業候補がふるいにかかると思います。

また副業でどのくらい稼ぎたいか、稼げるか、について考える上では、そもそも”自身のスキルでできる、できない”といった観点も無視できません。

副業として高収入が得られるジャンルは得てしてそれなりのスキルや知識が求められることは想像に容易いかと思います。

個人で持っているスキルを活かすという考え方がある一方で、副業として”何をやりたいか”も重要なファクターです。


急に、漠然として恐縮ですが、副業は選択の自由度が高い分、忠実にやりたいことを追求できるという点も魅力と言えます。

例えば、高めたいスキル、本業へのシナジーを生む何がしか、もっと具体的に考察すると、地方共生型の活動をしてみたい、ライターとして活躍してみたい、起業への足掛かりとしたい、趣味を活かしてみたい、などといった明確な目的意識があるかといった観点になります。


2-2. 副業を選択する

先に、副業を選択する上で重要となるファクターについてお話しさせていただきました。

では、そのファクターに照らし合わせて、いくつか具体的な副業例を紹介させていただきます。


実は、先に述べたファクターの内、“何をやりたいか”について明確な目的感を有しているのであれば、むしろ議論はここまでです。

そのやりたいことに対して、要する時間や得られる収入が許容できるものであれば、結論は出ていると言えます。追求する外ないと考えます。


それではその他“どの時間を活用したいか”をまずは軸に、副業となり得る具体例をご紹介させていただき、収入のボリューム感や必要とされるスキル面に触れていきます。

まずは副業時間を休日フルタイムに設定する場合、アルバイトやダブルワークなどがメインとなり、選択の幅は広いのが特徴です。

UberEatsなど個人事業主としての仕事も昨今よく選ばれている印象です。

スキルや体力面などに応じて得られる収入も様々ですが、特にアルバイトなどを選択すると収入の計画も立てやすいのが特徴です。



次に毎日の数時間を副業時間と設定する、パートが現在副業として活発になっている領域です。

想定される副業は有スキルによって様々で、一般に高スキルも求めないものではデータ入力代行や商品モニターなどがあります。

特定のスキルを有している方には、webデザインやシステム開発といったIT関連や、法律相談や確定申告代行など本業の知識を活かせるものなど様々です。


その間の中スキル層は、ややクリエイティブ差が求められるライティングなどの仕事です。

この領域が活発化しているひとつの理由としては、例として挙げたような細かい需要と供給のマッチングを行うためのプラットフォームが整備されている点にあります。

これがクラウドソーシングサイトです。


一方で、短期集中型の副業時間を設定するケースも想定されます。

短期バイト、スポットバイトなどが主な仕事例ですが、短期集中でかつ高収入が得られる手段としてひとつ特徴的なものをピックアップさせていただきます。

それは、治験です。

新薬の臨床試験への参加をする治験では、時間効率としては圧倒的です。

さらに日帰りや数泊から参加可能な案件もあり、本業の合間での参加も十分に可能です。

案件によって様々ですが1泊の案件でも数万円ほどの収入が期待できます。

治験に関しては安全性など気になることも様々かと思いますが、今回は細かい説明は割愛させていただきます。

ご興味がある方は、是非ご自身で調べて臨んでみてください。


今回主題の副業について、といった観点ではやや外れたものになりますが特徴的な例として紹介させていただきました。
(参考:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/fukyu1.html)

3. さいごに

昨今副業を取り巻く環境が劇的に変化をし、副業が当たり前の時代、副業時代が到来しようとしていると言えます。

副業選択は自由度が高く、選択次第では生活のクオリティの向上も期待できると言えます。

自分が”どうありたいか””どういう未来を描きたいか”を考え、本業を含めた自分にしかできないカスタマイズ、働き方の形を創出してみてください。