
テレワークのこれから…需要と可能性を秘めた新しい働き方
令和2年初頭からの、新型コロナウイルス台頭により世の中が大きく変わり始めてもうすぐ1年になります。
職種によってはほぼご縁がないという方も多いと思われますが、多くの企業でテレワークの導入が始まっています。
1. テレワークとは何か?
そもそもテレワークとは何でしょう。
英語で「遠隔」を表す「tele」に「仕事」の「work」を表す造語です。
職場に出勤して業務を行う通常の勤務形態とは異なり、「出勤」する場所が通常の職場であるという制限はなく、時間的にもフレキシブルなものとなります。
いわゆる「在宅勤務」と必ずしも同義ではなく、仕事に必要な環境が整備されていれば、自宅でなくてもそこで勤務することができます。
1-1. どれくらいの企業が導入しているの?
新型コロナウィルスの流行に伴い、国が推奨したテレワークですが、パーソル研究所の調査によれば、緊急事態宣言が発令された令和2年4月には27.9%、宣言解除となった5月25日の翌週では25.7%、新型コロナウィルス流行の第三波が襲う11月後半には24.7%となっています。
しかしなからこの数字は正規雇用の社員のデータであり、アルバイトやパート、派遣社員などの非正規雇用の場合は、令和2年4月で17%、5月では18.7%と大きな差があります。
その為、非正規雇用も含めた全体のテレワーク導入率はまだまだ低いようです。
1-2. どんな職種でもテレワークは可能?
テレワークは出社せずに勤務ができることが第一条件であるため、基本的にはパソコン、電話があれば業務できる職種がメインです。
やり方によっては可能となる業種もたくさんあります!
システムエンジニア、プログラマー、ライターなどはむしろテレワークに適した職種です。
また基本的なデスクワークは大半がテレワーク可能ですが、捺印などを要する場合、出社しなくてはならないという制限もあります。
建設業、飲食業、製造業や店舗などでの販売業はテレワーク不可能ですが、販売業の場合、ネット販売などを行えばテレワークは可能です。
研究職でも特殊な環境を必要としない場合はテレワーク可能です。
人と会う事がメイン業務であった営業職であっても、最近はテレワークが盛んとなっています。
企業間でのやり取りであれば双方がネット環境が整ってテレワークは可能であり、個人への営業であれば電話やメールでのやり取りでも十分で、書類などは自宅でプリントアウトして訪問する、または郵送する事で出社を必ずしも要するものではありません。
様々な業種で取り入れるのがテレワークであり、近年の働き方改革やコロナ禍が追い風となり、年配層より若年層からの関心が強く高まっています。
令和2年の調査では、就職先の選定にテレワーク可能であるかを重視する若年層が6割に達したそうです。
2. 企業にも働く人にも、有益なテレワーク!企業のメリットは?
2-1. メリット①新型コロナウィルス感染リスクの減少
まず企業側は社員を出社させない事により、大前提の事ですが、社員の新型コロナ感染リスクを大幅に下げられます。
通常通りに出社しているとして、ある社員が新型コロナに感染してしまったとします。
基本的な流れとしては、その社員のPCR検査を行った医療機関が所轄の保健所へ連絡します。
保健所と陽性者の間でヒアリング調査が行われ、職場環境や家族の状況、親しい人などの中から濃厚接触者が割り出されます。
新型コロナウィルスは発症する2日前から感染力があることが分かっているため、その期間に陽性者と近い距離で勤務をしたことが分かっている社員は濃厚接触者と見なされる可能性があります。
通常、大半の企業がマスクをしたり、手洗いなどを意識しているとは思いますが、食事や喫煙などでマスクを一切外さずに過ごすことは不可能であるため、十分な注意を要します。
陽性者、濃厚接触者の出勤停止となった場合、ほとんどが予測しない事態であるため、急にテレワークを開始できず、業務に影響が出る事は必至です。
その為にもテレワークが可能であるかの検討や、テレワークを準備を進めて体制を整えていく事は、企業としても非常に有意義なことです。
2-2. メリット②交通費負担の軽減
2-3. メリット③人材離れの防止
近年は女性の社会進出は当たり前の事となり、結婚や出産を経ても同勤務先にて勤務を続ける人は増えていますが、現実的には育児や家庭の事情により退職を余儀なくされてしまう人も少なくありません。
勤務場所を会社に限定しないことにより、上手くバランスを取って退職せずに済むケースも増えています。
また通勤による時間や体力の消耗は相当なものであり、勤務地が自宅から仮に1時間とすれば、通勤することにより2時間の時間がテレワークにより得られるので、社員の負担を大きく減らすことができるのです。
3. 社員から見たテレワークのメリットについて
では、働く側のメリットについて見ていきましょう。
働く人のメリットも企業側のメリットに重なる部分が多いです。
3-1. では、働く側のメリットについて見ていきましょう。働く人のメリットも企業側のメリットに重なる部分が多いです。
テレワークは通勤せずに勤務することにより、時間が自由になりやすいという特徴があります。
特に未就学児などのいる家庭では、子供を見守れる環境で勤務できるのは非常に安心だと思います。
3-2. メリット②仕事の効率UP
勤務を一人で行える環境を整えることで、集中力が上がり、作業効率がUPするというメリットもあります。
一人の環境では人間関係を意識しすぎず、自分のペースで静かに作業に取り組めるため、ストレスが少ないと言えるでしょう。
3-3. メリット③身体的、時間的負担の軽減
通勤をしないことにより、身体的負担を減らすことができます。
勤務先まで遠ければ遠いほど、時間もかかり、実際の出勤時間より前に自宅を後にしなくてはなりません。
通勤がないことにより、交通事故リスクを大幅に軽減できるのは当然のことながら、勤務前から通勤により疲労することは避けられ、通勤時間が不要になる分、時間を自由に使い、ゆとりをもつことができるのです。
4. テレワーク開始で助成金が受け取れる?
新型コロナウィルス感染対策の為、政府が推奨するテレワークですが、開始するに当たり、社員それぞれが仕事のできるネット環境を整えている事は必須条件となります。
業務に必要となる環境整備やネット環境のための費用であれば、企業側が負担する必要もあります。
厚生労働省のサイトによりますと、支給に際しては企業に対して一定の条件がありますが、下記のようなテレワークにおける取り組みは支給対象となるようです。
①テレワーク用通信機器の導入
②就業規則や労使協定などの作成、変更
③労務管理担当者に対する研修
④労働者に対する研修、周知、啓発 ⑤外部専門家(社会保険労務士など)によるコンサルティング
これらの支給対象は、正規雇用の人のみならず、派遣社員も含まれます。
またこれらの支給対象となる取り組みにはテレワーク実施率の期間と目標を設定する必要があり、目標達成のために要した経費も目標達成状況に応じて支給されます。
5. メリット多いテレワーク!新しい働き方を歓迎しよう!
これまで見てきた通り、テレワークは新しい働き方として徐々に浸透しつつあります。
厚生労働省の掲げた目標にはまだ遠いものの、コロナ後も働き方の一つとして地位を確立して、今後更に導入されていくものと思われます。
企業側、働く側のテレワークの在り方を理解し、準備を整えることで、不安なく開始し、双方にとって実りあるものとなることでしょう。