個人事業主だけどインボイス制度がよくわからない。確定申告に影響はあるの?誰に相談したらいいの?わかりやすく解説します

公開日: 2024/4/19

2023年10月から、消費税の仕入税額控除を受けるためには、適格請求書(インボイス)の発行・受領が必要になる「インボイス制度」が導入されています。

個人事業主の方も、この制度に対応するかどうかを検討する必要があるでしょう。

しかし、インボイス制度は複雑なため、よくわからないという方も多いのではないでしょうか。


そこで、この記事では、インボイス制度の概要や、確定申告への影響、対応方法、相談先などをわかりやすく解説します。

1. インボイス制度とは?


インボイス制度とは、消費税の仕入税額控除を受けるためには、適格請求書(インボイス)の発行・受領が必要になる制度です。

適格請求書とは、消費税の仕入税額控除の要件を満たす請求書です。

具体的には、以下の項目が記載されている必要があります。

 ・取引年月日
 ・取引金額
 ・品目
 ・税率
 ・税額
 ・登録番号


インボイス制度は、2023年10月1日から導入されました。

インボイス制度が導入された背景には、2019年10月に消費税率が10%に引き上げられたことが挙げられます。

消費税率の引き上げに伴い、消費税の申告・納税の負担が増加することが予想されたため、仕入税額控除の適正化を図るための制度として導入されました。

2. インボイス制度と確定申告の関係


インボイス制度は、消費税の仕入税額控除を受けるためには、適格請求書(インボイス)の発行・受領が必要になる制度です。

この制度は、仕入税額控除の適正化を図ることを目的としています。

インボイス制度が確定申告に与える影響は、大きく分けて以下の2つです。


 1.仕入税額控除の要件が厳格化される

 2.帳簿の記載方法が変わる

2-1. 1. 仕入税額控除の要件が厳格化される

インボイス制度が導入されると、適格請求書以外で消費税の仕入税額控除を受けるためには、次のいずれかの要件を満たす必要があります。

 ・取引相手が課税事業者であること

 ・取引相手が課税事業者であることが明らかであること


つまり、インボイス制度に対応していない免税事業者から仕入れを行う場合、仕入税額控除を受けることができなくなります。

これにより、確定申告において、仕入税額控除の金額が減少する可能性があります。

2-2. 2. 帳簿の記載方法が変わる

インボイス制度が導入されると、仕入税額控除の計算方法や帳簿の記載方法が変わります。

具体的には、以下のようになります。

1.仕入税額控除の計算方法

 ・仕入税額控除の対象となる取引は、適格請求書の発行・受領があった取引に限られる

 ・仕入税額控除の計算は、適格請求書に記載された税額に基づいて行う

2.帳簿の記載方法

 ・仕入税額控除の計算に必要な事項を、適格請求書と照合しながら記載する


これらの変更に対応するためには、帳簿の記載方法を見直す必要があります。

3. インボイス制度に対応する方法


インボイス制度に対応するためには、以下の2つの方法があります。


 ・課税事業者に登録する

 ・免税事業者のまま、取引先が課税事業者であることを確認する

3-1. 課税事業者に登録する

課税事業者に登録することで、適格請求書の発行が可能になります。

課税事業者に登録するには、所轄の税務署に申請する必要があります。

申請書類は、国税庁のウェブサイトからダウンロードできます。

3-2. 免税事業者のまま、取引先が課税事業者であることを確認する

免税事業者のままインボイス制度に対応するには、取引先が課税事業者であることを確認する必要があります。

以下の方法で確認できます。

 ・取引先に直接確認する

 ・取引先のホームページやパンフレットなどで確認する

 ・国税庁のウェブサイトで確認する


取引先が課税事業者であることを確認した後は、取引先から適格請求書の発行を受けられるように依頼しましょう。

4. インボイス制度に関する相談先


次にインボイス制度に関する相談ができる機関を紹介します。

 ・国税庁インボイス制度特設サイト

 ・国税庁インボイスコールセンター

 ・所轄の税務署


国税庁インボイス制度特設サイトでは、インボイス制度に関する基本的な情報が掲載されています。

国税庁インボイスコールセンターでは、インボイス制度に関する一般的な質問や相談を受け付けています。

所轄の税務署では、個別の取引形態や事実関係に応じた相談を受け付けています。

これらの相談先をうまく利用して対応してみてください。

5. まとめ

インボイス制度は、個人事業主の方も対応する必要がある制度です。

インボイス制度に対応するためには、帳簿の記載方法を見直す必要があります。

特に、仕入税額控除の計算に必要な事項を、適格請求書と照合しながら記載するようにしましょう。

確定申告をなるべく簡単にシンプルに終えるためには、インボイス制度の導入に伴う変更点にも注意してください。


この記事を参考に、インボイス制度の概要や、確定申告への影響、対応方法、相談先などを理解し、適切に対応してください。