
事務のキャリアアップに必要なスキルアップとは?同じ事務でも職種によって異なる資格事情
「事務職で長く働くためにはどうしたらいいの?」
「今の職場ではスキルを活かしきれない」
「キャリアアップのために何か始めたい」
など事務の仕事に不安を抱えている社会人の方も少なくないでしょう。
事務職で自分の価値を高めるためにキャリアアップを考えることはとても重要です。
この記事では事務職で働く社会人のために、キャリアアップに向けて何をするべきか、事務の職種別おすすめ資格について詳しくご紹介していきます。
ぜひ参考にしてみてください。
1. キャリアアップとスキルアップの違いとは?

キャリアアップとは、特定の分野において今より専門的な知識や能力を身につけ、キャリア(経歴)を高めることを意味します。
例えば役職や地位の向上、年収アップなど会社の昇進昇給であったり、重要なポジションへの部署異動、雇用形態の変更などが挙げられます。
また今までの経験や能力を活かし、転職をすることもキャリアアップのひとつと言えるでしょう。
キャリアアップと似たような言葉にスキルアップがあります。
スキルアップはその人の技能や能力を高める経験や行動、学習を通して知識を深めていくことを指します。
スキルアップをすることで業務の幅が広がり、社会人としてのキャリアアップにも繋がっていくでしょう。
2. キャリアアップ実現のために今から始めること

「社会人としてキャリアアップしたいな」となんとなく考えていても、具体的な行動を起こさなければ実現はできません。
キャリアアップ実現のために、まず始めに何をするべきかを説明していきます。
2-1. 自己分析をして自分の強みを知る
まずはこれまでの自分を分析し、得意なことや強みは何かをピックアップしていきましょう。
社会人になって自分が上げた実績や成果、経験を通して身につけたスキルなど、過去を振り返り自分の長所や短所を明確にしていきます。
2-2. 理想像を思い描く
自分の強みを理解したうえで、何を目標にするか、自分は将来どうなりたいのかを考えていきましょう。
・5年後にはこういう役職についていたい
・スキルを身につけ、新しい分野にチャレンジしたい
・理想としている●●さんのようなポジションにつきたい
など理想とする社会人像は具体的なイメージを持つと良いでしょう。
2-3. 現実の理想のギャップを埋める方法を考える
最後に理想像と今の自分を比較してみてください。
経験値やスキルがまだまだ足りないと感じるのではないでしょうか。
キャリアアップ実現のためには理想と現在のギャップを埋める必要があります。
自分には何が足りないのか?どうしたらよいのか?を考えてみてください。
例えば、スキルや知識が足りないから勉強会への参加や資格取得をしていく、新しい経験をするために異動や転職をするなど様々な選択肢が出てくるでしょう。
3. キャリアアップするための方法
キャリアアップするための方法はひとつではありません。
ここからは、キャリアアップをするための方法についていくつか解説していきます。
3-1. 部署の異動でキャリアアップ
自分の理想にちかづくため部署異動をすることもキャリアアップの方法の一つです。
今までと異なる業務を担当することで、新しい技術や経験を身につけることができるでしょう。
まずは会社にジョブローテーション制度など、キャリアアップに活用できる制度や仕組みがあるのかを確認し、上司に自分のキャリアアップについて相談をすることをおすすめします。
すぐに異動が叶わなくても、上司に周知してもらうことによってチャンスが訪れる可能性が高くなります。
3-2. 転職をしてキャリアアップ
自分のやりたいことや強みと、企業の求める人材がマッチした転職先を見つけ出すことで、今まで評価されなかったスキルが率先力として評価されることも考えられます。
ただし転職は今とは違う経験やスキルが身につく反面、ゼロからの実績作りとなります。また新しい環境や人間関係などがストレスになる人もいるかもしれません。
転職にはメリットデメリットがあるということを理解したうえで検討していきましょう。
3-3. 資格取得でキャリアアップ
資格取得は今よりも専門的な知識や技術を身につけることができ、自身のスキルアップにもつながります。
自分のキャリアに必要な分野の資格を取得することで仕事の選択肢も広がり、部署異動や転職の際にも役立つでしょう。
4. 職種別おすすめの事務の資格について

事務職と一口に言っても職種によって求められるスキルは様々です。
今やっている業務の専門性を高めていくのか、まったく新しい分野に挑戦するのか。
資格取得をする際は、自分のキャリアアップに必要な資格を選び学んでいく必要があります。
4-1. 経理事務のおすすめ資格
経理事務の仕事は、会社で扱う金銭の管理や入出金の記録をしていくことです。
専門性の高い職種のため、計算や数字に関する知識を求められることもあるでしょう。
・日商簿記
商業簿記や会計・経理に役立つスキルが習得できます。
知名度が高い資格のため保持していることで転職や現職の昇進にも役立つでしょう。
3級は商業簿記の基本的な知識が求められ、2級になると工業簿記が含まれます。
目指すのであれば2級取得をおすすめします。
・ビジネスキャリア検定
人事労務管理、経理・財務管理、営業、生産管理、企業法務・総務、ロジスティクス、経営情報システム、経営戦略の8分野から自分が必要とする資格を選び学ぶことができます。
転職でアピールするというよりは、スキルアップのための手段として活用すると良いでしょう。
4-2. 営業事務のおすすめ資格
営業職のサポートを行い見積書や請求書等の書類作成のほか、営業担当者や取引先と関わることが多いためコミュニケーションスキルも求められます。
・MOS
WordやExcelなどオフィスソフトを扱うための必要な操作スキルがあることを証明できる資格です。
スペシャリスト(一般レベル)とエキスパート(上級者レベル)の2種類があります。
・ビジネス文書検定
ビジネスシーンに最適な言い回しや定型を学ぶことができます。
書類作成やメール作成などの業務に役立てることができるでしょう。
知名度も高いため、企業に認識してもらえるだけでなく転職にも有利になります。
・秘書検定
ふるまいや言葉遣い、しぐさなど社会人としてのマナーを学ぶことができます。
全部で4段階あり、秘書を目指す人以外でも人と接する仕事をするのであれば、実践で活かせるスキルとなるでしょう。
4-3. IT事務のおすすめ資格
IT事務はシステムやネットワークなどITに関するサポートが仕事となるため、一般事務に必要なスキルの他に、ITに特化した知識も必要とされます。
・ITパスポート(国家資格)
AIやビックデータなどの新しい技術やセキュリティなどのITに関する知識だけでなく、経営戦略やマーケティングなど経営全般の知識も学ぶことができます。
転職やキャリアアップにも役立つ資格と言えます。
・日商PC検定
パソコンやITに関する基礎知識やソフトの操作方法を学ぶことができます。
MOSとは違い、企業実務に使える実践的なパソコンスキルを証明できる資格と言えるでしょう。
4-4. 貿易事務のおすすめ資格
貿易事務では、商品の輸出入をする際の様々な事務手続きを行います。
必要な書類作成や内容確認、送付をすることが主な仕事ですが、事務処理以外にも語学力が必要とされる場合もあります。
・日商ビジネス英語検定
実践的なビジネス英語を身につけることができる検定です。
国際取引や貿易実務に基づいた英語のライティングやスピーキング、リスニング力を身につけることができます。
・貿易実務検定
貿易に関する実務能力や知識を学べます。
試験はA、B、Cの3種類あり、未経験から貿易事務へ転職や就職を考えているのであればC級から受けることをおすすめします。
4-5. 英文事務のおすすめ資格
英文事務は英語を用いた事務全般を指し、中には専門性が高い業務もあります。
未経験者でも大丈夫ですが、資格を所有していることで即戦力として活躍することが期待できます。
・TOEIC
英文事務だけでなく貿易事務や外資系企業の事務において、英語力のある事務職員は需要が高い傾向があります。
実践的な英語コミュニケーション能力を測定する試験で、ビジネス英語のスキルを判断することができます。
TOEICのスコア600点は基礎的な分法と単語力が身についている目安となっているため、取得の際は600点を目標の1つとして受検することをおすすめします。
5. まとめ
自分のやりたい事務職でキャリアアップをするには、企業が求めるスキルを理解しステップアップしていく必要があります。
社会人として資格取得のために学んだスキルや知識は、転職の際にもプラスになるでしょう。
自分のキャリア像を目標に、仕事に役立つ資格を取得することをおすすめします。